中国、二つの課題 2014 6 14
日本では、今年になってから、
集団的自衛権の行使について、
政治家、マスコミ、世論で、
賛成・反対に分かれて、議論が盛り上がっていますが、
このような時期に、中国の戦闘機が、
日本の自衛隊機に異常接近することが二度もありました。
中国政府としては、
「我が軍は、いったい何をやっているのか」と言いたくなるでしょう。
このような事件が起こると、
日本の世論としては、
「やはり集団的自衛権は必要だ」という方向に傾くからです。
結果的に、中国軍は、安倍首相の応援団ということになります。
普通の日本人は、「中国は、おかしな国だ」と思うでしょうが、
ここで思考停止になってはダメです。
軍が政府の意向を無視して勝手に動くような国は危険だと考える必要があります。
私は、2012年10月20日に、
「中国、二つの課題」という文章を書きました。
今回、中国の戦闘機による異常接近という事態によって、
こうした課題が解消されていないことが露呈しました。
今後も、中国政府が、ニュースを見て、
「我が軍は、いったい何をやっているのか」と驚く事態が起こると思います。
中国、二つの課題 2012 10 20
私は、2011年10月2日に「党の軍」という文章を書きました。
つまり、中国の人民解放軍は、国軍ではなく「党の軍隊」ということです。
しかし、これでは、国際法上、大きな問題が発生するでしょう。
早急に、人民解放軍を国軍化すべきでしょう。
現状では、国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません。
人民解放軍は、中国共産党の軍事部門という位置づけです。
次に、中国は、党が国家を指導する体制です。
このような体制を維持するならば、
外交担当の責任者を少なくとも政治局委員にすべきでしょう。
現状では、外交部長(外務大臣)も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーどころか、
政治局委員にもなっていません。
これでは、外交軽視・軍重視の体制と言わざるを得ないでしょう。
まるで北朝鮮のような政治体制に近いと思います。
将来的には、中国の真の国際化を図るために、
外交担当の責任者を政治局常務委員すべきでしょう。
党の軍 2011 10 2
相変わらず、南シナ海が緊張の高い状態にあると言えますが、
このような状態において、周辺国は、
中国外務省に抗議しても無駄だと思います。
そもそも、人民解放軍は、中国外務省を見下していると思います。
中国において、「外務大臣」も外交担当の国務委員も、
政治局常務委員のメンバーでしょうか。
いや政治局委員にもなっていないと思います。
中国は、共産党が国家を指導する体制です。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、党の軍であるという位置づけです。
(国務院の国防部は、人民解放軍に対する指揮権を持っていません)
そういうわけで、国務院の一部である中国外務省が何を言っても、
人民解放軍は、聞く耳を持たないと思います。
将来、外交担当の国務委員が、
党の政治局委員になれば、
いや現状では人民解放軍の強大な力を考えれば、
政治局常務委員にならないと、事態は改善されないでしょう。